イギリスの臨床薬剤師

イギリスにある、臨床薬剤師養成のための大学での病院実習では、
指導薬剤師の専門スキルとプロ意識がすこぶる高く、日本よりも進んだ教育を受けることができる。
イギリスでは4年生の学校教育の後、病院で1年間の実務研修を終了すると
薬剤師国家試験の受験資格が与えられる。
また、研修プログラムでは、基本的な調剤から病棟や医薬品情報室での臨床業務など、
知識だけではなく薬剤師としての責任や使命感を徹底的に叩き込まれるため、
モチベーションを落とすことがなく緊張感を持ちつつ経験を積むことが可能となっている。

臨床薬剤師の役割は基本的には日本と同じだ。
但し、イギリスは日本とは比較にならないほど合理化と専門分化が進んでいる。
その背景として、イギリスの国民皆保険で医療費の約8割が税金で賄われているため、
限られた財源を有効に生かすために極力無駄を省くという社会的コンセンサスがある。
ガイドラインも医薬品や医療技術が財政内で採用可能かどうか、
費用対効果を加味した上で水晶が決められるほど、経済性を重視したエビデンスが追求されるのである。

臨床薬剤師にはグレード制があり、業務内容や権限、必要な能力、経験年数などが定められている。
グレードによって、その段階で様々な診療料や医薬品情報、調剤などの業務をローテートし、
ゼネラリストとしてのスキルを磨くとともに、自分の専門分野を見極めることができるのだ。
また、イギリスの臨床薬剤師では日本のように薬剤業務に対する診療報酬はないが、
グレードによって専門性が評価され、収入も連動する。
ステップアップを目指し努力することで、自分自身もより成長することができるのである。