臨床薬剤師とコミュニケーション能力について

臨床薬剤師の主な業務は、実際に病棟に出入りし、
入院患者への服薬指導や薬剤内容について専門的な説明を行い、
薬物療法の専門家として薬剤の投与計画を行う。
患者の薬物の血中濃度データを元に、
最小の副作用で最大の効果が得られる血中濃度を設定し投与量を計算する。
また、医師とコミュニケーションを図り、時には助言を行う。
つまり、臨床薬剤師は、薬物療法の専門家として実際に患者の治療に参加し、
患者と医師との両者とのコミュニケーションを円滑に図る必要がある。
そのためコミュニケーション能力を持つ臨床薬剤師の育成が必要となる。

通常の薬剤師と臨床薬剤師との違いは、調剤業務を行える点は共通しているが、
何より異なるのは、コミュニケーション能力がより必要になる点である。
特に患者と臨床薬剤師の間のコミュニケーションが上手く図れることが重要である。
今までは「患者の立場になって物事を考えればわかるはず」という理念知識教育がなされて来たが、
臨床現場では、薬剤師として患者の立場に立って物事を考えたつもりが、
薬剤師の善意が伝わっておらず、むしろ押しつけと取られてしまう場合も少なくない。
コミュニケーション能力の基本である、「まず患者の話をじっくり聞くこと」を行い、
患者のメッセージをより深く臨床薬剤師が理解することで、良い治療が生まれるのである。

アメリカの臨床薬剤師育成の大学講義では、
患者とのコミュニケーション方法について多く時間を割いている。
そして臨床薬剤師研修での評価項目の一番目に
「患者や他の医療従事者とのコミュニケーション能力」とある。
また、プレゼンテーションやディスカッション能力も求められる。
学生の時から、外来患者のカウンセリングを行う。
このように、臨床薬剤師に必要なのは、もちろん薬剤の専門知識であるが、
臨床現場では、よりコミュニケーション能力が求められることは明白である。